こんにちは。

 

 

今回は前置詞「for」について。

 

以前にも書いた通り、

 

前置詞は英語話者の心理的・認知的感覚がグッと凝縮されたものであり、

我々日本人にとってはなかなかその感覚を捉えづらい品詞です。

 

ただ、ここでもやはり一つの「コアイメージ」を元に、

様々な訳や用法へ繋がっているんだ、

 

という感覚を少しでも掴んで頂ければと思います。

 

 

ではいきましょう。

 

まず、前置詞「for」のコアイメージは「遠くを目指す」です。

 

一番分かりやすい例としては

 

Tom left for America yesterday.

 

アメリカという「離れた目的地を目指して出発した」ということですね。

 

 

また、「遠くを目指す」ということは

 

「大体の目指す範囲がある」ということでもあります。

 

 

たとえば、

 

「将来英語を使った仕事に就きたい!」と

 

「遠くの目標」を決める時、

 

その「英語の仕事」とは「通訳」かもしれないし、

「英語講師」かもしれないし、「キャビンアテンダント」かもしれません。

 

このように「遠くの何かを目指す」とは

自動的に「おおよその範囲」を決めることでもあるわけです。

 

動詞「look」は「look for」となると

「~を見る」ではなく、「~を探す」という意味になりますよね。

 

前置詞「at」のコアイメージは「点」であるため、

 

「look at A」とすると、「A(という一点)に目を向ける」

 

つまり、「Aを見る」という意味になりますが、

 

 

「look for A」の場合は

 

「Aという自分から離れてしまったものについて、大体の範囲に目を向ける」

 

というニュアンスになります。

 

 

皆さんも何か物を探すとき、

 

「確かこの辺だったよな~( ;∀;)」と

 

「おおよその範囲」を決めてその辺りを見ますよね。

 

よって、「look for A」は「Aを探す」という意味になります。

 

 

こんな文も考えてみましょう。

 

It is difficult to speak English.

(英語を話すことは難しい)

 

中学3年生で習う「It ~ to構文」ですね。

 

上の文は「日本の世間一般論」として「英語を話すことは難しい」という意味です。

 

しかし、もちろんアメリカ人やイギリス人、

もしくはバリバリの帰国子女の日本人にとっては英語を話すことは難しくありませんよね。

 

「誰にとって難しいのか」、ということをハッキリさせるためには

 

It is difficult for me to speak English.

(英語を話すことは私にとって難しい)

 

のように、「for 人」を「to 不定詞」の直前に置きます。

 

この「for」は「意味上の主語を示すfor」と呼ばれます。

 

このような形にすることで、

 

アメリカ人のA君にとってではなく、

 

帰国子女のBちゃんにとってでもなく、

 

「私という範囲に限って言えば難しい」という意味にすることが出来ます。

 

「for」を使うことで範囲を絞っているわけですね。

 

 

次に、中学2年生以上の生徒達は「for」を使ったこんな文を見たことがあるはずです。

 

I bought a nice present for Kumi.

 

この時、前置詞「to」と「for」の使い分けに注意が必要でしたね。

 

一般的には(というか私も)、

 

「到達する相手が意識されている動詞」の時は「to」を使うと教えます。

 

前置詞「to」のコアイメージは「方向」ですが、

「for」との決定的な違いは「到達」のニュアンスを含むということです。

 

I teach English to Kumi every Saturday.

 

当たり前ですが「teach」はその知識や情報が

到達する相手がいないと「教える」という行為は出来ません。

 

 

しかし、先ほどの例文

 

I bought a nice present for Kumi. の場合、

 

「buy」、つまり「素敵なプレゼントを買う」という行為の時点で、

素敵なプレゼントはまだクミの元には届いて(到達して)いません。

 

「きっと喜んでくれるだろうな」と、

 

気持ちがこの場にはいないかもしれないクミを目指していることを表すために、

 

前置詞「for」が使われるのです。

 

 

さらに、ここには前置詞「for」のもう一つの大切なニュアンスが含まれています。

 

「遠くを目指す」ということは実は「(代償と)交換する」ということでもあるのです。

 

少し難しくなってきましたね(@_@)??

 

しかし、

 

ここから話すことが「for」を本当の意味で理解するための真髄だと私は思っているので、

頑張ってついて来て下さい。もちろんなるべく分かりやすく伝える努力をします。

 

 

たとえば、皆さんにも志望高校や大学があると思います。

 

「〇〇大学に行きたい!」と遠くの目標を決める時、

 

もちろん何の努力もなしにその大学に行くことは出来ません。

 

その大学を目指すからには勉強時間を確保するために

 

テレビを見る時間を削ったり、

 

寝る時間を削ったり、

 

また受験に必要のない科目の勉強を削ったり、

 

と何かしらの「代償」が必要なわけです。

 

その「代償」と引き換え(交換)に、

「志望校に合格する」という遠くの目標が達成出来るんです。

 

このように、「遠くを目指す」とは、

それに見合う価値のあるものと「交換」するということでもあるんですね。

 

 

これを踏まえたうえで、先ほどの例文をもう一度見てみましょう。

 

I bought a nice present for Kumi.

 

この「for」は先ほど説明した通り、

あ「クミが喜んでくれる姿を目指して」、という解釈が出来ますが、

 

別の見方をすれば、

 

クミがそのプレゼントをわざわざ買いに行く「時間」や「お金」を

私が「代償となって負担している」ということでもあります。

 

「クミへのプレゼント」の引き換えに「私の時間やお金」が費やされている、ということです。

 

 

何となく掴めましたか?

 

これが分かると様々な「for」の用法が理解出来るはずです。

 

This cloth sells for 5 dollars.

(この布地は5ドルで売られる)

 

→「5ドルと引き換えに布地が売られる」んです。

 

 

I traveled through the country for three month.

(私はその国中を3か月間旅した)

 

→「3か月間と引き換えに旅をした」んです。

 

 

If it were not for your help, I couldn’t do that.

(もしあなたの助けがなかったら、私はそれが出来なかったよ)

 

→「あなたの助けという代償がなかったら」ということです。

 

 

どうでしょうか。

 

前置詞「for」の「遠くを目指す」というコアイメージを元に、

時間的・空間的「期間・範囲」や「引き換え(交換)」といった意味にも

繋がっていくことが理解出来たでしょうか。

 

これ以外にも様々な例文を挙げたいんですが、

キリがなくなるのでやめておきます(;´∀`)

 

 

 

学生の皆さんにもそれぞれ「目指す目標」があると思います。

 

それは指導者である私も同じです。

 

その過程のなかで、失いたくないものを失ったり、

 

もしかしたら誰かを傷つけることもあるかもしれません。

 

自分のやっていることが「本当に意味のあることなのか」、「正しいことなのか」、

 

自分を疑いたくなる時もあるかもしれません。

 

 

けれど、

 

「目標」を失い、

 

「学ぶこと」や「立ち向かうこと」をやめれば

 

そこで人間の成長は止まります。

 

 

それぞれの未来に向かって、立ち止まることなく、共に歩みを進めましょう。

 

 

 

( *´艸`)てへっ

 

今日はこの辺で。